第6回世界精神医学会アンチスティグマ分科会国際会議を開催して

代表  佐藤光源

 「こころの絆-わたしたちのリカバリー」をメインテーマにした世界精神医学会(WPA)アンチスティグマ国際会議(高橋清久会長)が、平成25年2月12日から3日間、砂防会館(東京)で開催されました。本研究会と精神・神経科学振興財団が主催した会議でしたが、18カ国から568名が参加し、各会場で熱心な討論が繰りひろげられました。ちなみに、この参加者数は過去WPA国際会議を上回る最多記録でした。これは、まさに高橋会長がめざした当事者中心の会議が盛会裡に終わった証です。 会議では、基調講演(2), 記念講演(3), ランチョンセミナー(9)、シンポジウム(31)に加えて、ポスター討論が行われ、多数の講演や発表について意見が交換されました。さらに、パーティーや懇親会などで内外の参加者が絆を深めることができたことも、本研究会のこれからの活動にとって大変有意義なことでした。

 第6回はアジアで初めて日本で開催されたWPA国際会議でしたが、第12回世界精神医学会横浜大会(2002)から数えて10年、わが国の精神保健の国際化を改めて実感することができました。

 この会議を通して、リカバリーに向けたスティグマの解消が、いま世界の精神保健が直面している重大な課題であることが浮き彫りにされました。また、アメリカ大統領の精神保健アジェンダに“リカバリーを治療の現実的な目標にする”と明記されたのは2002年のことでしたが、今回の会議で日本にもリカバリー指向の精神保健の扉が開かれたという思いを強くしました。そして、当事者が語る“わたしのリカバリー”(スピーカーズビューロー)のワークショップで、「これは第三の医療だ」と発言された家族会の方の言葉がいまも強く印象に残っています。

 WPAアンチスティグマ国際会議の成功は、本研究会の今後の活動を推進する大きなパワーを与えてくれました。この機会に、高橋会長はじめ国際会議の開催にご尽力いただいた皆様にこころから感謝申し上げます。

2013年3月9日更新


トップページに戻る

psilocybe ;)